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小金井先生のひとりごと その10


  語順というルール …… 日本人の語順に対する振る舞い


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今日は、言葉の並べ方の法則についていろいろ考えてみようと思う。

 

「わたしは明日友達と本屋に行く」

この文を5つの成分に分けると次のようになる。

 

わたしは、明日、友達と、本屋に、行く。

誰が   いつ 誰と  どこに ~する

 

わたしたちがこれを、たとえば英語に訳そうとすると「まずは主語と述語で、それから目的語や前置詞構造、時点…」そんなふうに組み立てていくだろうか。これを中国語にするなら「はじめに主語を考え、それから状況語になる時点、介詞構造を並べてから、述語の後に目的語を…」こんな感じで単語を探して並べていくのではないだろうか。いずれにしても、それぞれの言語の語順、つまり言葉の並びにルールがあることを知っていて、それに従おうとしているはずである。

 

さて、もう一度話を日本語に戻すことにする。先ほどの文を否定文にするとどうなるだろうか。「友達とは行かない」「明日は行かない」「わたしは行かない」と、いずれにしても否定語(~ない)は述語のあとに置かれる。ではこれを中国語で考えると?何を打ち消すかによって話が変わってくるのだ。

 

「明日わたしは本屋に行かない(行くか、行かないか)」ということなら“我明天不去书店。”あるいは“明天我不去书店。”でよく、否定副詞“不”は述語の前に置かれる。ただ、「友達とは行かない(その人とは行かない)」のように打ち消すものが変わると、“不”は介詞構造の前になり、“我跟朋友,我一个人去。(わたしは友達とは行かない、一人で行く)”になるのである。

 

日本語では「わたし行かない」「友達と行かない」「明日行かない」「本屋に行かない」のように、どの部分を取り立てて(強調して)言うかは助詞をうまく使って表していて、否定語の位置が動くことはない。

 

その一方、日本語は「明日、わたしは、友達と、本屋に、行く」「明日、友達と、わたしは、本屋に、行く」「本屋に、わたしは、明日、友達と、行く」のように、語順については非常に緩い性格も同時に持ち合わせているのである。

 
 
 

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