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小金井京子先生のひとりごと その6

日本語脳と中国語脳 …… スイッチを正しく切り替える

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教室の黒板に、中学生と書いてあったら、「『中学生』って何のことだ?」となりますね。でももし、あなたが中国語を習っていたとしたら「あ、もしかしたらこれ、中国語かも…」となるでしょう。

中国語と日本語は、いずれも漢字を使う言語です。そのため、わたしたちは知らず知らずの内に、中国語を日本語として(あるいは時に、日本語を中国語として)理解してしまうことがあります。つまり、ふだんから意識して「日本語は日本語、中国語は中国語」と、それぞれ別ものとしてスイッチを切り替えるようにしていないと、間違った解釈をしてしまうことがあるということなのです。


「中学生(ちゅうがくせい)」                    中学校の生徒

“中学生 (zhōngxuéshēng)”         中学生、および高校生


中国語では“中学”は初級中学と高級中学の6年の間に通う学校を指しています。


なので、中国語の“中学生”は中学生とは限らないのです。中学生かもしれないし、高校生かもしれません。まずは、“中学生”は「中高生」と理解しておきましょう。


では、次の文を日本語に訳してください。


我的孩子都是中学生。Wǒ de háizi dōu shì zhōngxuéshēng。


 “中学生”については、もう確認ができていますから

「△わたしの子供はみんな中学生です」とするのはちょっとためらわれますね。

直訳をすれば「わたしの子供はみんな中高生です」となるでしょうか。


ですが、この訳もあまりいい訳とは言えません。新聞やニュースであれば、

中学校と高校の6学年分の学生をまとめて「中高生」ということもできますが、

自分の子供を「中高生」と括るのは、やはりどうも不自然です。


この「中高生」を正確に、より自然な日本語にするためには、

やはりお子さんの年齢を知りたいところですね。


それが分かれば、「家の子は中学生です」とか「家の子は高校生です」、

あるいは「上の子は高校生で、下の子は中学生です」などのように、

その状況に応じてしっかりと自然な日本語訳が付けられることでしょう。

さらにはお子さんの人数も分かれば、「二人とも」や「三人とも」のような訳も

考えられることでしょう。


日本語で訳を付ける際には、単に辞書にある意味をそのままあてるのではなく、

状況に合わせてより的確な言葉を探す。


こうしたこともふだんからトレーニングしておきたいところです。

 
 
 

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