小金井京子先生のひとりごと~その8
- 小金井京子
- 9月26日
- 読了時間: 3分
お悩み相談 …… ネイティブに通じないのですが

「発音が悪いせいか、ネイティブに通じないのですが」
こんな悩みが寄せられました。
一生懸命習った中国語を、勇気を振り絞って話しかけてみたのに、それがどうも相手に通じていないとしたら、それはもうがっかりですね。
「発音に問題があるのだろう」そう思って、また音節表にもどって“bo, po…”とやってみたものの、根本的な問題解決にはなっていないようで、もうどうしていいかわからない。
みなさんの中にも似たような思いをしている方は少なくないのではないでしょうか。
中国語が通じない、その原因は発音のほかにもいろいろと考えられます。例えば語順。中国語は語順をとても大切にする言語です。語順が変わることで意味が変化する、あるいは通じなくなる、ということもあるのです。一方日本語は、語順に対しての要求は高くない言語です。そのため中国語を扱う際、語順に対するわたしたちの注意がおろそかになっていることが少なくありません。
息継ぎの場所が間違っている場合もあります。一生懸命に発音していると、一つ一つのピンインを読むことに集中しすぎて、意味の切れ目ではないところで息継ぎをしたり、気が付くと意味とは関係なく、ただただ二音節(二文字)ずつ読んでいたりします。また、ていねいに読み過ぎるためにスピードが遅すぎて意味が伝わりにくくなっているということもあります。
こうした悩みは、中国語を始めたばかりのみなさんに限ったことではありません。実は中国語レベルの高い学習者のみなさんの悩みでもあったりします。ふだんは上級中国語を習っていて、HSKや中国語の検定試験でも高いレベルで合格しているのに、なぜか自分が話す中国語が中国人に通じていない。発音に問題があるのだろうと思いながら、でも、今さら…とも思ってしまう。
もしみなさんに一緒に勉強する“同学”がいたら、まずその仲間に意見をもらうのはどうでしょう。ある人は、むかし何度も第4声の発音を直されたことで、4声の発音の時に無意識に力んでしまう癖がついてしまっていました。変調のルールがよくわかっていないので“一”や“不”が出てくるたびに不安になって発音に集中できなくなり読み間違えをしている人もいました。こんなふうに自分でも気づかなかったポイントが見えてくるかもしれません。
客観的な視点を持つことはとても大切です。そして問題があると思ったら、少しでも早くその問題点を明確にして解決し、“通じる楽しさ”をいつでもいつまでもみなさんのものにしていただけたらと思います。
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