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小金井京子先生のひとりごと その3


「存在」を表す中国語 …… “有”と“在”について


中国語は、言いたいことに合わせ細かく動詞を使い分けることを要求される言語です。

ここでは存在を表す二大動詞“有”と“”について見ていくことにしましょう。


飞机上有很多人。(機内にはたくさんの人がいます)


桌子上有一台电脑。(机の上にパソコンが一台あります)


电脑在桌子上。(パソコンは机の上にあります)


“有”も“在”も、いずれも存在を表す動詞でありながら、“有”のあとには「人、もの」が、

“在”のあとには「場所」が置かれています。そうした語順の違いについては教室で

しっかり学習されていることと思います。


練習問題に、元々“有”で書かれていた文を“在”に、“在”の文を“有”に書き替えるという

ものもあるようです。


語順の重要性を理解し、語順を確認するための練習としては有効なのですが、

中には「言葉の並びだけ合っていれば“有”でも“在”でもどっちでもいいんだ、同じこと

を言っているんだ…」と誤解してしまう学習者もいるようなのです。


「中国人の友達はいますか?」

「パスポートを持っていますか?」のように、

存在するかしないかについて言うのは“有”です。

こうした場面で“在”を使うことはありません。


それに対して、存在すると分かったものの在り処や居場所について言う時には“在”が使われます。


A:你有姐姐吗?(あなたにお姉さんはいますか?)

B:有。(います)

A:你姐姐今天在家吗?(あなたのお姉さんは今日家にいますか?)

B:不在。她今天在学校。(いません。姉は今日は学校にいます)


この会話では、Bのお姉さんの存在が分からないうちは“有”で話していますが、

その存在が確かになった後半では“在”に切り替えて話を展開しています。


お姉さんのいない人に向かって“你姐姐在哪儿?(あなたのお姉さんはどこにいますか?)”


と聞くことはありませんね。“在哪儿?”は、その存在が前提の上で使われる言葉なのです。


“有”は「あるかないか/どれぐらいあるのか/何と何があるのか(列挙)」を言う際に

用いる動詞、“在”は「それがどこにあるのか」を言う動詞だと覚えておきましょう。


最後に否定文についても確認しておきましょう。


どこを探しても存在しないものについては“没有”、

存在そのものではなく場所の問題である(ここではない、別の場所に存在する)場合には“

不在”が使われます。


我没有姐姐。(わたしに姉はいません)

我姐姐不在。(姉はいません …ここにはいない。別のところにいる)

 
 
 

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