【有缘千里来相会,无缘对面不相识】
~縁があれば千里を経ても出会うが、縁がなければ真向いにいても出会わない~
今日の夕方の出来事です。
息子と家を出ようとしたときに、携帯が鳴りました。
電話口からはしばらくぶりの親友の声がして「今ね、郵便局にいるんだけど、中国人の留学生がちょっと困ったことになっているの。
助けたいけど言葉がわからなくて、困ってるの。
もしできたら来てもらえない?」というので、駆けつけてみると、すでに閉まった郵便局の前で親友と留学生の女性、それから郵便局のスタッフが3名、待っていました。
ちょうど一年前にも郵便局で通訳をしたことがあり、郵便局員さん達も私のことを覚えていらして、あのときもお世話になりました、と言われました。
年末に日本に来たばかりの留学生は、SNSで中古のベットスプリングを
分けてもらうということになり、かなり遠方から取りに来たのでした。
折りたためると聞いて引き取るとなんと、シングルサイズで幅は20センチ以上ある、重くて大きなマットレスでした。
なんとか電車の駅まで運んだものの、電車には載せてもらえず、駅員さんに「郵便局から送ればいい」と言われたそうで、駅前から何とか乗せてくれたバスで二駅離れた郵便局に来たそうです。
郵便局もこんなに大きなものは送れないので宅急便屋に電話したり、コンビニに電話しましたが、どこもどうすることも出来ませんでした。
持ち帰れないから廃棄するにしても、大型ゴミとなるし、それも市に連絡して処分費を払わないといけません。
留学生は日本語がままならず、とても困惑していました。
マットレスをくれた本人は、彼女が持ち帰れないから返してもいいかと連絡しても、返事をよこさず、返すに返せません。
家にも帰れなくなって困り果てていました。
親友は「一目でいい子だな、と思ったから何とかしてあげたい」と郵便局の人とあれこれ考えましたが、結局私が通訳して、親友の家にいったんマットレスを運び、後日親友が市に連絡して、処分してあげることになりました。
しかし、マットレスは大きくて重かったので、息子が自宅に台車を取りに走り、郵便局の方と親友と、留学生と私と息子の5人で親友の家まで運びました。
郵便局の前でも、留学生の女の子が何度も両手を合わせ、頭を下げてお礼を言い、それに対して、彼女が「いいのよ、日本にはるばる来てくれたんだから、勉強頑張ってね」と肩をたたき、私が二人の間で通訳して、そばで郵便局のおじさんがニコニコしてたその情景には心があったかくなったよ、と、あとで息子が言っていました。
親友の家まで行ったときはもう辺りはすっかり暗くなっていたので、彼女と一緒に留学生を駅まで見送りました。
留学生は小・中・高校と飛び級し、19歳で中医大学を卒業、22歳までの3年間、中医師として勤務していたそうです。
とてもおっとりした感じの彼女は若いのにお医者さんだったとは驚きでした。
しかも、飛び級で19歳にして大卒とはすごく優秀なんですね。
(本人は謙遜していましたが)
親友も看護師でもあるし、医者の家系、留学生の親戚も医療従事者が多く、「縁があるね」などいろんな話をしながら駅に送りました。
留学生の女の子は駅でも何度も頭を下げて、嬉しそうにお礼を言ってくれましたが、私自身、20歳の頃、大連で泊まる宿がなく、親切な中国人の方にお世話になり家に泊めてもらい、車に乗せてもらい、ご飯まで食べさせてもらったことを思い出しました。
(自分にあそこまでの親切ができるだろうか、といつも思い出します。)
親友もかつて海外生活をした人なので、外国で困ったことになって現地の人に助けてもらえたときの喜びは忘れられない、と言っていました。
小さなお手伝いでしたが、なんだかとても心温まる出来事でした。
写真は親友の家の前まで運んだ時と、駅に送った時のものです。
留学生の女のことはwe chatでつながったので、また何か困ったことがあれば連絡してね、とやり取りしたことでした。
表題の中国語【有缘千里来相会,无缘对面不相识】
これは、人の出会いは縁によるもので、縁があればどんなに遠く離れていても巡り会うことができるが、縁がなければどんなに近くにいても顔を合わせることもない。
という意味ですが、瀋陽から来た留学生にも会いしばらくぶりに親友に再会もできて、この言葉の嬉しさを実感したひと時でした。
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